写真展日記:空間・時間づくり

細かい振り返りは色々あるものの、今回写真展をして何が一番良かったかといえば、多分自分がつくりたい時間・空間を用意できたことかなと。
 
所謂ホワイトスペースに写真だけが並び、それをぐるっと歩いて見て、さようならの場にはしたくなかった。その空間に身を置いて、それぞれに感じたり考えたり、できれば一緒にお話もしたり、ゆっくりとした自分の時間を少しでも持ってもらいなというのが根底にあった。大地の息づかいを感じてもらう為に。
 
その為に、空間を全部展示で埋め尽くすのではなく、ゆったり座れる空間を確保。
 
ゆっくりする為にはと、簡単なカフェを併設。知人のおかげでカナダ&神戸のコラボスイーツを出せたのは、食のテーマとも関連づけられて嬉しかった。
 
今回の写真の世界観を表す音も入れたかった。何枚聞いたか分からないけれど、最終的には私のとーっても曖昧に並べた言葉に対して尾道の紙片さんが出してきてくださった一枚で完璧な仕上がりに。
 
展示写真は説明的なものにすることもできたけど、なるべく説明的な写真は排除して、え?これ何?と思わず考えてしまう写真を中心にセレクト。
 
一方、そうするとかなり限定された写真になったので補助として写真集を用意して、興味をもって頂けたら座って見てお話もできるように。
 
展示会場に写真だけという方法もあるし、色々調べた情報を細かに用意しておく方法もあったけれど、想像力を邪魔しない程度に、でもユーコンのこと、自然の凄さも知ってもらいたいしと、言葉・情報を最低限に用意。デザインは相変わらず苦戦したものの、用意した紙ものはうまくツールとして使えたかなと。
 
  • ゆっくりと座ってカナダの澄んだ空気ねと味わう人
  • これ絵?写真?絵?!驚きを繰り返す人
  • じっと写真の前に佇む人
  • 静かにテーブルにしばし腰掛ける人(なぜか皆様姿勢が美しかった!)
  • リスの写真を嬉しそうに抱えてしまう男の子
  • 写真をじっと何枚もスケッチする姉妹
  • 白鳥の飛ぶ距離の話に目をまんまるにする女の子
  • また旅に行こうと思ったという方
  • この世のものとは思えないという方 etc.
ある1枚においては本当に沢山の全く違う表現が溢れて、そこからそれぞれの方が生きている世界が垣間みれるようでほんとに面白かった。
 
5Fというわざわざ行かないといけない場所だったので、人数がまばらであった時の方が、多い時よりよかったかな(空気がほんとにがらっと違った)。
 
多分やらなくてもよいことも沢山あったかもだけれど、感情の泉がやわらかに湧き出るような場と時間をつくれたことは素直に嬉しい。
 

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